先日、楽天市場に出展されているクライアント様からのとあるニュースで、制作現場には激震が走りました。
そのニュースとは……そう、楽天GOLD廃止！！！
昨年、スマートフォンのトップページに楽天GOLDを使用することが廃止になり、「これはまさか……!?」とそんな気はしていたのですが、ついにパソコンでの表示用も含め楽天GOLDそのものの廃止が発表されました。

PHPこそ使えないものの、スタイルシートやJavaScriptは自由に使用でき、長年、独自デザインのトップページやカスタムコンテンツの運用に活用されてきた楽天GOLDですが、とうとう来年末でその幕を下ろすことに。
これに伴い、ジャンプスのように楽天の店舗構築を任されているホームページ制作会社は、タイムリミットまでに新たなトップページへの移行を行わなければなりません。
今回は、楽天GOLD廃止の背景や新しいトップページへの移行について、店舗運営者や制作会社が知っておくべきポイントを解説します。

楽天GOLDの役割と廃止の理由

楽天GOLDは、店舗が独自のHTMLやCSS、JSを使用して楽天市場の店舗ページをカスタマイズできるサービスでした。
これにより、ショップごとのブランドイメージを反映したデザインや、オリジナルコンテンツを作成することが可能でした。

しかし楽天市場の運営サイドは、スマートフォンからのアクセス全盛期を迎え、モバイルファーストのデザイン標準化を重要視する方針に舵を切ったようです。
まずは昨年スマートフォンのトップページに楽天市場をリダイレクトさせる機能が廃止となり、カスタマイズの幅が広すぎる楽天GOLDは、統一されたユーザー体験を妨げる可能性があると判断され、全面廃止に至ったようです。

新トップページへの移行

楽天市場は新しいトップページを導入し、店舗ごとに提供されるカスタマイズオプションが統一化されます。
この新トップページでは、従来のようにHTMLやCSSを自由に編集するのではなく、楽天が提供するテンプレートやウィジェットを用いて、簡単かつ直感的にページを作成できる仕組みになります。

• モバイル対応の強化：新トップページは完全にレスポンシブデザインを採用しており、スマホユーザーに最適化されたデザインが自動的に適用されます。これまでRMSの管理画面内はやたらとパソコンとスマートフォンでの表示管理を分けたがる傾向にあり、バナーを一つ表示させるためにもパソコン表示とスマートフォン表示の二回分の更新を別々の管理ページから行う必要がありました。しかし新トップページでは一度の更新でパソコン表示とスマートフォン表示の両方が反映されるシステムになっているようです。
• SEO対策の向上：楽天が提供するテンプレートは、最新のSEO基準を満たす形で設計されています。これにより、店舗ページがGoogleやYahoo!などの検索エンジンでの露出が高まり、検索結果での上位表示が狙えるようになります。
• 管理の簡素化：従来の楽天GOLDではHTMLやCSSの知識が必要でしたが、新システムではドラッグ＆ドロップでの編集が可能となり、専門知識がなくても簡単にページを作成・管理できます。

店舗運営者や制作会社が取るべきアクション

楽天GOLDの廃止に伴い、移行期間中に店舗運営者が行うべきアクションをまとめました。

• 新トップページの準備：新トップページの機能やパーツを早めに把握してページ構成を練り直し、新トップページを利用したデザインの準備を進めましょう。
• 旧データのバックアップ：GOLDで作成した独自コンテンツやコードのバックアップを取っておく必要もあります。廃止後にはアクセスできなくなるため、重要なデータは早めに保存しておかなければなりません。
• 画像データのR-Cabinetへの移行：楽天GOLDは、CSSやHTMLだけではなく画像ファイル置き場としても活用可能でした。例えば商品詳細ページ内のLP画像も、楽天GOLDにアップロードしておけば画像サイズを気にすることなく使用できていました。楽天GOLDが廃止された場合、この画像は全てリンク切れとなってしまいますから、RMSの中にあるR-Cabinetに移動させる必要があります。

特に最後の画像データに関しては、これまではR-Cabinetの空き容量がなくなってしまった場合にも楽天GOLDを使用するという方法がありました。
「えっ？もうR-Cabinetに空きがないんだけど、GOLDもなくなってしまったらどうしたらいいの？」と思うかもしれません。
それに関しては、有料ではありますが「R-Cabinet 容量追加オプション」で最大10GBの追加が可能なようですので、必要な場合は申し込んで画像を引っ越ししておきましょう。

今後はコーディングではなく画像デザイン勝負？

ジャンプスでは、これまで楽天GOLDに配置したCSSを使用して商品ページやカテゴリーページ等のレイアウトでも他店舗との差別化を図っていましたが、今後はそういったこともできなくなります。
制作会社としては、より画像デザイン勝負になっていくことが予想されます。
今後はこれまで以上に商品LPや商品画像、そして新トップページで使用する画像のデザインを工夫していく必要がありそうです。