ウェブサイトの更新やデータ共有で、ファイルをサーバーに送ったり、サーバーから受け取ったりすることって、実はめちゃくちゃ頻繁にありますよね。
そんな時、裏で頑張ってくれているのが「ファイル転送プロトコル」と呼ばれる縁の下の力持ちたちです。
今回は、その中でも特に活躍の場が多い「FTP」「SFTP」「SCP」の三銃士にスポットを当てて、それぞれの個性を見ていきましょう!
「なんだか難しそう…」と思ったあなた!ご安心ください。難しい専門用語はなるべく避けて、普段使いの目線でそれぞれの得意・不得意をご紹介しますね。
① FTP:古参だけどまだまだ現役!「使いやすさ」が魅力のベテラン
FTP(File Transfer Protocol)は、ファイル転送の世界では超ベテラン。
昔から多くの人に使われてきた実績があります。
スピード: 環境にもよりますが、基本的には高速です。特に大量のファイルをサクッと転送したい時には頼りになります。
安定性: こちらも環境次第ですが、比較的安定しています。ただし、たくさんの接続があったり、ネットワークが不安定だとちょっとぐらつくことも。
② SFTP:セキュリティも速さも欲しいなら!「万能型」の優等生
SFTP(SSH File Transfer Protocol)は、SSH(Secure Shell)という安全な通信経路を使ってファイル転送を行います。
FTPに「Secure(安全)」のSがついているので、もうお察しですね!
スピード: FTPと同等か、環境によってはそれ以上の速度が出ます。体感できるレベルではないですが、暗号化の処理が入る分、わずかに遅くなることも。
安定性: SSHの安定した通信経路を利用するため、非常に安定しています。ネットワークが不安定な場所でも比較的安心して使えます。
③ SCP:コマンド一つでサッと転送!「玄人好み」のミニマリスト
SCP(Secure Copy Protocol)もSFTPと同じくSSHの仕組みを使ってファイル転送を行います。
名前の通り「安全にコピーする」ためのプロトコルです。
スピード: SFTPと同様に高速です。シンプルなプロトコルなので、場合によってはSFTPよりも高速になることもあります。
安定性: SFTPと同様、SSHの安定した通信経路を利用するため、非常に安定しています。
どうやって使い分ければいいの?
-
とりあえず動けばいい(テスト環境など)
FTP
理由:
簡単だけど、本番環境には使わない方が吉 -
セキュリティ重視(顧客データ等)
SFTP
理由:
暗号化&認証がしっかりしていて安心 -
とにかく高速に送りたい(社内LAN等)
SCP
理由:
処理が軽くて速い
あなたの環境に合った転送方法を
最近では、レンタルサーバーやクラウドサービスもSFTPを標準対応しているところが増えてきました。
FTPが使えるからといって、安易に選ばず、
「何をどこに、どのくらいの頻度で、誰が使うか」をしっかり考えて、最適な方法を選びましょう。
ちょっとしたアドバイス
- WordPressなどCMSを使っているなら、SFTP設定でプラグインの自動更新を制限したりすることもできます。
- 社内でスクリプトを使って自動転送したいなら、SCP + SSH鍵の組み合わせが超便利。
- 万が一、FTPを使うなら**FTPS(FTP over SSL)**という選択肢も。少しだけ安全です。
安心・安全なサイト運営の第一歩は、転送方法の見直しから。
一度、サーバー設定や利用ツールをチェックしてみてはいかがでしょうか?