202412/12

制作の現場はAIに仕事を奪われる?それともAIをうまく利用する?

今日は朝からChatGPTがエラーで使えなかったので、近年革命が起きたAI(人工知能)と制作の現場についてのお話です。

皆さんは、趣味や仕事でAIを使用していますか?
IT業界の会社ということもあり、ジャンプスでは新しい技術やガジェット好きなスタッフが数年前に話題になった当初からChatGPTに飛びつきました。

今ではすっかりおなじみになって、ニュースやネット上の話題で頻繁に取り上げられるようになったChatGPTは、アメリカのOpenAIが開発した対話型のAIサービスです。
まるで人間と会話をしているかのような感覚で、チャット形式で様々な質問に答えてくれたり、文章を作ってくれます。

ChatGPTが便利なのは、まったく違和感のないレベルで「日本語」が使えるという点。
日本人に生まれた以上つきまとう問題ですが、最新技術はいつも英語圏発なんですよね。
ホームページ制作の現場でも例えばWordpressを使っていると、日本人が開発したプラグインもあるものの、やはり大半のプラグインは英語圏のもので、日本語の翻訳で困ることもしばしばあります。

ChatGPTをはじめ近年革命をもたらした人工知能の大きな特徴である「ゆらぎ」のおかげなのだと思いますが、ChatGPTに英語から日本語への翻訳を頼むと、Google翻訳のようなカタコトの日本語ではなく非常に自然な日本語にしてくれます。
ChatGPTが登場した当初、英語を介さず日本語のみのチャット形式で対話できる英語圏のサービスというのは衝撃的でした。

そんな日本語も流暢に操る対話型の人工知能が登場し、さらにはテキストで命令したとおりの画像を作ってくれる画像生成AIも普及して、世間では「AIに仕事を奪われるのではないか」という危機感を募らせる職業も増えてきました。

ホームページ制作の現場ではどうでしょうか。
例えばホームページで使用する画像などは、既に生成AIに命令すれば人間が撮影や描画をしなくてもAIが写真やイラストを作ってくれます。
(もちろんまだまだ不気味の谷が出現したりと、画像の生成精度は発展途上ですが)
生成AIが広まった当初、イラストレーターの職業の人たちからは、仕事を奪われるという声が多数上がりました。
最終的には「こんなホームページを作って」とAIに命令すれば何とおりものホームページを一瞬でAIが作ってくれ、その中から好きなものを選ぶだけというのが主流になる時代がやってくるのかもしれません。
そうなれば、ジャンプスのようなホームページ制作会社もお役御免となってしまうのでしょうか?

AIを使っていて思うのは「一概にそうとは言えない」ということです。
理由は、AIを使いこなすには「プロンプト」というAIに与える命令・指示が非常に重要だからです。
ChatGPTはとても優秀ですが、その能力を有効に使うためには人間がいかに最適なプロンプトを入力できるかが肝です。

例えば「明日の天気を教えて」とAIに聞いてもダメなんです。
AIにあらかじめ位置情報を登録していなければ、明日の「福岡県博多区の」天気を教えてと質問しなければ、自分が住んでいる場所の天気をAIに教えてもらうことはできません。

もちろんChatGPT等の対話型AIは明日のお天気だけでなく、医学や宇宙工学、物理学、歴史から最新テクノロジーに至るまで専門的な内容でも答えてくれるのですが……。
天気の場合は簡単ですが、専門的になればなるほど質問する人間自身が専門的な知識を持っていないと、AIの能力を最大に引き出すプロンプトが入力できないのです。

ホームページ制作の現場では、ChatGPTはコーディングにおいて高い能力を発揮してくれます。
「Wordpressのworksというカスタム投稿タイプのareaというカスタムタクソノミーのhakataというカスタムタームに所属する記事のみを、記事一覧のページで条件分岐させて~…~というPHP書いて」のように命令するとPHPのコードを書いてくれるのですが、このように質問者自身がWordpressの知識を持っていて、適切な命令の仕方をしないと望んだコードは得られません。

つまり最終的に「こんなホームページを作って」とAIに命令すれば何とおりものホームページを一瞬でAIが作ってくれる時代が来たとしても、命令する人間が「どんな」ホームページを作るようにAIに命令するか次第で、AIが作ってくれるホームページの質は大きく異なる可能性があるのです。
そうなれば、ホームページを熟知した人間によるプロンプトが重要な役割を果たします。
ホームページ制作会社が、ホームページ制作に特化したAIを使ってホームページ制作を行うという未来がやってくるかもしれません。

一瞬でAIがホームページを作ってくれる段階ではありませんが、既に制作の現場では部分的にこれが現実になっています。
先ほど触れたChatGPTを利用したコーディングの他にも、業務で使用しているAdobeのPhotoshopやIllustratorといった制作ソフト内にもAIの機能が追加されており、プロンプトを入れてやるとイラストや写真をゼロから描いてくれたり、加工してくれたりします。

AIに仕事を奪われる未来がやってくるのかはまだわかりませんが、AIをうまく使って仕事をする未来は既に来ています。
今日のように朝からChatGPTで不具合が起きて使えないと「えっ?どうしよう!不便だ」と感じてしまって、いつの間にかAIが業務になくてはならないものになっていたと実感しました。
IT業界に身を置く者しては、次々に現れる新しい技術に戦々恐々とするより、やはりいかに便利に使いこなすかに常にわくわくしたいですね!