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2025年のWEBデザイントレンドにはサステナブルWebデザインが登場!
新年あけましておめでとうございます。
WEBデザインの世界では、2025年はどんなデザインがトレンドとなるのでしょうか。
AIを用いたデザインや3Dモデル等、近年の技術を取り入れたデザインや、逆にピクセルアート、Y2K、ヴェイパーウェイヴなど懐古的なデザイン、ダークモードやグラデーションなど引き続き人気のデザイン、クレイモーフィズム、ニューモーフィズム、グラスモーフィズムなどテクスチャ・質感系のデザイン……
様々な今年のWEBデザイントレンドの中で、複数のサイトで共通して取り上げられていたのが「サステナブルWebデザイン」でした。
「サステナブル」や「持続可能」、「SDGs」という言葉は近年耳にすることが増え、ホームページ制作の現場でも、コーポレートサイトでは多くの企業が自社の取り組みを紹介するSDGsのページを設けるようになりましたが、ついにWEBサイト制作そのものも、サステナブルを意識する時代が来たようです。
今年になって突然、WEBサイトの世界にもSDGsが降臨したというわけではなく、そもそも数年前からホームページのCO₂排出量を削減しようという環境に配慮したサステナブルWebデザインという考え方は存在していました。
それがついに今年はトレンドとして注目を集め、取り上げられるまでになりました。
サステナブルWebデザインとは?
サステナブルWebデザインは、ウェブサイトやデジタルサービスを環境に優しく、持続可能な形で設計・運営することです。
インターネットの使用が環境に与える影響を軽減しよう!という取り組みなわけです。
具体的にどのようなアプローチがあるのか、見ていきましょう。
1.ホームページのエネルギー効率
ペットボトルやアルミ缶と違ってホームページそのものは物体ではありませんが、表示させるためには電気が必要です。
ペットボトルが石油から、アルミ缶がアルミから作られているように、そう、WEBサイトは電気エネルギーによって作られていると言えるかもしれません。
このため、インターネットのデータトラフィックやサーバー運用に必要なエネルギーを削減するためのデザインが注目されています。
- 必要最低限のリソースを使用することでページの読み込み時間を短縮し、エネルギー消費を削減できる軽量なコードとデザインを使用する。
- エネルギー効率の良い高速なサーバー選択。
- データの再取得を減らしサーバー負荷を軽減するために、キャッシュを適切に利用する。
2.ホームページのCO₂排出量
ホームページが電気エネルギーで作られている以上、その電気を生み出す発電のためには二酸化炭素が排出されています。
ジャンプスのような制作会社がサイト制作の作業をするときに必要となる電気や、完成したサイトの表示のたびに必要となる電気、サーバー会社が完成したサイトのデータ維持に必要とする電気を発電するため、また制作時に取材や撮影で自動車で出張すればガソリンの使用によって、他にもホームページの更新を行ったりするたびに、CO₂は排出されています。
- 制作時に排出されるCO₂を削減する。
- ホームページのCO₂排出量を調べる。
- ホームページ上でCO₂排出量をユーザーに伝える。
1PV当たりのCO₂排出量を調べる評価ツールはインターネット上に存在していますので、これを使ってサイトのCO₂排出量を調べることも可能です。
日本ではまだ環境省などの公的機関のサイトで、ホームページの表示時に排出される二酸化炭素量の平均値等を具体的に公開している資料は見当たらないようですが、CO₂排出量を調べる評価ツールサイトを見ると、1PVあたり約0.7gほどが一般的な推定平均値に設定されているようです。
こういった平均値を大幅に下回るWEBサイトを制作した場合は、ホームページ上でユーザーに告知してSDGsに貢献できるホームページであることをアピールできるかもしれません。
では、このような1PV当たりのCO₂排出量には、具体的にサイトデザインの何が影響を与えるのでしょうか。
3.サイトカラー
WEBサイト表示時のディスプレイのエネルギー消費に影響を与えるのが、サイトのカラーです。
- 青は高エネルギー消費カラー。
青色を生成するためには、LEDやOLEDの材料により高い電圧をかける必要があり、結果としてエネルギー消費が増えます。
対して赤・緑・黄は効率的に発光できるため、必要な電力が少なく済みます。 - ダークモードは目にも環境にも優しい!
印刷物とは真逆でディスプレイは消灯時には黒で、白色はRGB(赤・緑・青)のすべてのピクセルを最大輝度で点灯させる必要がある色です。
他の色と比べてディスプレイ全体のエネルギー消費が高くなる色が白色なのです。
白や明るい青をホームページの背景色にすると、画面全体が強く発光するため消費電力が高まることになります。
4.ミニマリストデザイン
視覚的な要素を必要最低限に抑えたデザインは、データ量を減らすとともに、持続可能性とユーザーエクスペリエンスの向上に寄与します。
- 不要な画像や動画の削減。
- フォントと色の簡素化。
つまり、ユーザーに優しいホームページデザインは環境にも優しい!と言えるかもしれません。
ただし、黒をメインに使用して写真や動画、複雑なコードもなく表示に時間がかからないサイトを作れば、確かに誰にでも簡単に環境負荷が少ないホームページを作れるかもしれませんが、そこだけを重視してしまうとユーザーを惹きつける魅力や面白みに欠けたつまらないデザインになってしまいます。
昨今の通信技術の向上によって、トレンドのカラフルなグラデーションや大量の画像、動画を使用したホームページも省エネルギーで表示できるようになってきています。
あくまでも、SDGsも何を重視してホームページを制作するのかの指標の一つであるということです。
これまではホームページ制作時にあまり意識することはなかったという意味では、2025年のトレンドデザインの中にサステナブルWebデザインが登場したことは、人工知能や3Dモデルと同様に近年の世の中の流れを受けた、今年のWEBデザインにおける大きな変化の一つと言えるのではないでしょうか。